調教タイムの見方
追い切りのポイント
当たるちゃんの追い切りコーナーでは、調教タイムを掲載しておりますが、単に時計が早い馬が良いということではありません。
レースに出走する馬同士を比べてしまいそうですが、馬それぞれ調教方法が異なります。
馬が結果を残した好調時やそれ以上のタイムを出しているかどうか。
また4Fや5F追いをする場合は、単純な総時計だけでなく、1Fごとにメリハリある走りができているかもポイントとして見ています。
【調教コースの紹介】
調教には必ず目的があり、その目的を見破るのが馬券的中への近道です。
・どうしてプールを使っているのか!?
・どうしていつもと違うコースを使っているのか!?
など各馬の変化をチェックしていきましょう。
その為にも調教コースにはどのようなコースがあるのかを知っておくことが必要です。
こちらでは、各調教コースの特徴と通常の使用目的などを紹介していきます。
追い切り情報と合わせて参考に活用ください。
【栗東】(滋賀県)
(1)坂路コース
栗東で、一番使用頻度の高い調教コースで、多い日には1日1,000頭以上が利用するようです。
こちらは、坂の傾斜がかなり急な作りになっており、高低差はなんと32mもあるコースなんです。
ここで調教を行うと馬にはしっかりと負荷が掛かります。
当然、これだけの坂を駆け上るので、調教タイムは遅くなります。
このコースで早い時計を出せる馬は、相当パワーがあるということです。
坂路で早いと、最後の直線に坂が設けられたコースも難なくこなすので、坂のある競馬場でも十分力を発揮します。
(2)CWコース
CWコースはCコースのウッドチップコースのことです。
ウッドチップが敷かれており、クッション性と排水性に優れたコースです。
雨で天候が悪くなっても影響は少なく、馬の脚に負担が掛かりにくい作りになっています。
その分、坂路コースよりも距離が長いので、体力を向上させることができます。
(3)P(ポリトラック)コース
ポリトラックは、人工的にゴムなど合成樹脂を敷き詰めたコースです。
特徴としては、非常に時計が出やすいコースです。
走りすぎてしまうと当然馬に負担が掛かりますが、坂路よりもきつくないコースなので、実践に近い状態で、競走馬に負担をかけ過ぎずに心肺機能を鍛えられるコースです。
(4)Bコース(ダートコース)
使用頻度は高くありませんが、このBコースはダートコースになっています。
比較的速い時計が出るのも特徴です。
弱点は天気の影響をモロに受けてしまい、雨が降ると馬場は悪化します。
【美浦】(茨城県)
(1)坂路コース
栗東に比べて緩やかな坂路で高低差は18m。
その為、栗東の坂路調教よりも時計は早くなるので、単純比較はできません。
(2)南Wコース
こちらは美浦の南Bコースにあるウッドチップコースです。
このコースはコーナーがきついコース形態になっており、時計の出にくいコースとして有名です。
ウッドチップで、クッション性や排水性が高く天候の変化に強いですが、表面に凸凹が出来やすいので、滑りやすいです。
(3)P(ポリトラック)コース
栗東同様に非常に時計が出やすいコースです。
ただ坂路と比べても調教時計はそれほど変わりないです。
これは、美浦の坂路がかなり負荷のないことを示しています。
(4)南Dコース
こちらは美浦の南Dコースにあるダートコースです。
こちらも栗東同様に時計の出やすいコースで、おおむね加速ラップを刻むのが特徴です。
弱点は天気の影響をモロに受けてしまい、雨が降ると馬場は悪化します。
追い切り(調教のポイント)
坂路調教
坂道になっているコースで調教を行います。
レースが行われる競馬場では、坂が設けられており、本番で坂を苦にしないためにも役立ちます。
(1)注意すべき坂路調教について
坂路コースは、豊富な運動量を得れ、スタミナ作りとしてはトップクラスです。
坂を登るパワーを付けることも目的ですが、馬券においての注意点は、坂路では体重減が可能ということです。
坂路調教により放牧後体重が絞れない馬の、重め解消の役割を果たします。
この役割を活用する危険なパターンとして、放牧後の調教で予定より太め残りの場合、 今までのレース前に坂路調教を行わないにも関わらず、レース直前に坂路を使うことがあります。
この場合は、太め残りと判断し、当日の馬体重には要注意です。
(2)常に坂路調教の馬はパワータイプと判断
日々の調教から坂路調教をこなす馬は、当然坂が得意と判断してOKです。
坂路以外での調教がメインの馬が、レースの坂道でふらふらしていても、坂路慣れしている馬はしっかり伸びることができます。
特に、最後の直線に大きな坂が設けられているのが、中山競馬場、阪神競馬場、中京競馬場です。
この競馬場では、坂路調教馬が強いです。
ウッドチップ調教
ダートのコース上にウッドチップを敷きつめているコースです。
木片がクッションとなり、ダートコースよりも脚への負担が少ないコースです。
基本的に、ウッドチップコースは、しっかり時計を出して、負荷をかけた調教を行うことができるコースです。
(1)ウッドチップから坂路変更はNG!
通常ウッドチップコースで調教を積んでいる馬が、急に坂路へ変更する場合は何かしらの理由があります。
坂のあるコースを対策するために使うなど、目的がファンにも明確であれば問題ありませんが、
坂路で馬なり調教などをしていたら、どこか馬に心配な点があると判断できます。
(2)調教タイムだけでの判断はNG
ウッドチップコースでは、負担が掛かりにくいため早い時計を出せます。
同一レース出走馬ならどうしても時計で判断したところ。
しかし、それだけで判断するのは危険です。
1週前追い切りで仕上げて、最終調整が理想とされていますが、レース直前の調教で早い時計を出して走りすぎると、調教がピークになってしまったり、馬の闘争心に火がついて、レースではどんどん前に行きたくなってしまい、騎手と折り合わなくなってしまうことがあります。
単純に時計で判断するのではなく、その過程にも注目してみましょう。
プール調教
脚へ負担をかけず全身運動を行えます。
体重が増えてしまった馬も減量や、休養明けの馬などで心肺機能を高くする目的で使用します。
また最近では精神面にリフレッシュ効果も図れるようです。
(1)プール調教馬は目的が重要
プール調教は、コース追いと比較して、馬への負荷は軽減されます。
怪我から復帰する場合や脚部が弱い馬などのリハビリ効果がメイン。
レースが近いのに、プール調教で、ゆったりとやっている場合は、レース本番でしっかり動けるのか注意が必要です。
また、この場合は体重が絞り切れていない場合が多いので、当日の馬体重もチェックしてみましょう。
(2)コース追いの後のプール調整はどうか
放牧から戻ってきて、しっかり乗りこまれた後に、プールを使う馬もいます。
ゲート難がある馬に、解消の為にプールを使ったりする場合もありますが、そのパターンは稀で、上記に挙げたように、体重が絞れない状況がほとんどです。
レース間近でのプールは要注意です。